2011-08-20 秋雷 詩・エッセイ #ノンフィクション、エッセイ 夜を明るみにさせる光が 薄いカーテン越し すでに灯りを落とした 部屋の奥まで侵入してくる 数時間前までは 轟音を伴っていた雷雲も ゆるゆる珍しい方角へと流れゆく 稲穂を育む恵みの雨 芒の波をうねらせ 実りの秋へと最終仕上げ その雨足も遠退く ただ、稲光だけが静かに部屋に忍び込む すでに音は去っていった あんなに騒いだ夏が 去っていく 遠く田圃で鳴く蛙が 夏の終わりを謳う 夏は、 東の山の向こうへ 駆けてゆく 秋が静かに テーブルの片隅に きらめきを示す それは 消えない誓いの光 http://item.shopping.c.yimg.jp/i/g/lemode_911-281